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小林久志 (こばやし・ひさし):プリンストン大学の 元工学部長 およびシャーマン・フェアチャイルド名誉教授。主な研究分野は通信理論、システム解析と性能評価、応用確率論。現在、独立行政法人情報通信研究機構の特級研究員として、将来のインターネットの構築に関する研究の顧問を務める。Friends of Todai, Inc. (Friends of UTokyoの前身)の200710月設立以来、理事を務め、2011年4月に初代理事長桝田淳二氏の後継者として理事長に就任、現在に至る。

東大電気工学科卒(1961)、同修士卒(1963)。東大在学中に故杉山金太郎氏の奨学金とデイヴィッド・サーノフRCA奨学金を授与された。東芝に2年勤務後、プリンストン大学のオーソン・デゼ・ムン奨学生として渡米、2年後の1967年に同大学より博士号を取得。

プリンストン卒業後直ちにニューヨーク州ヨークタウン・ハイツのIBM トマスJ.ワトソン中央研究所に入社し、データ伝送理論、デジタル磁気記録システムの符号復号方式の研究に従事。1970-1971年にデジタル記録の密度と信頼性を飛躍的に高める斬新的な方式を発明した。この方式はPRML (Partial-Response coding, Maximum Likelihood Decoding) 方式と呼ばれ、今日あらゆるハードディスク、光ディスクに採用されている。この発明により、2005年にドイツのエドワード・ライン財団よりテクノロジー賞を、2012年に日本のNEC C&C を受賞。

IBM中央研究所のコンピュータ・サイエンス部門で、1971に研究マネージャ、1974年にシニア・マネージャ、1981年に部長に昇格したのち、1982年に設立されたIBMジャパン・サイエンス・インスティチュート(現在のIBM東京基礎研究所)の初代所長に任命された。

1986年にプリンストン大学から工学部長および電気工学科・計算機科学科のシャーマン・フェアチャイルド栄誉教授として迎えられ、工学部長を1991年まで務め、2008年6月に退官するまで、同大学で研究・教育に携わった。現在も時折、大学院で確率過程の講義を担当する。

上記以外の受賞として、ドイツのアレキサンダー・フォン・フンボルト財団のシニアU.S.科学者賞(1979)、IBM貢献賞(1975、1984)、IBM発明業績賞(1971、1973)、米国電気電子学会のフェロー(1977)、終身フェロー(2003)、日本電子情報通信学会のフェロー(2004)、日本工学アカデミー会員(1992)などがある。Marquisの米国紳士録、世界紳士録に1982年以来掲載されている。

著書には「モデル化と解析」(アディソン・ウェズリー社1978年)、「システムのモデル化と解析」(ピアソン・プレンティス・ホール社2008年)、「確率、ランダム過程、統計解析」(ケンブリッジ大学出版、2012年)がある。国際学会誌「性能解析」(エルセビア社)の初代の編集主幹を勤めた(1979-86)。

UCLA (1969-70), ハワイ大学 (1975), スタンフォード大学 (1976), ドイツのダームシュタット工科大学 (1979-80), ブラッセル自由大学 (1980), 東京大学先端科学技術研究センター(1991-92), カナダのヴィクトリア大学(1998-99)の客員教授も勤めた。

さらに米国航空宇宙局SRIインターナショナル、シンガポール大学、デューク大学、ブリティッシュ・コロンビアの高等システム研究所、産業技術総合研究所、 日本学術振興会の21世紀COEプログラム東大生産技術研究所, ドイツ・ウルツブルグ大学のG-Lab、豊田工業大学などの顧問を務めた。2010年4月の東大大学院入学式で来賓としてスピーチをした(その内容とビデオで観るにはここをクリック)。現在、ラトガース大学のWINLABの諮問委員、コロンビア大学のアームストロング記念研究財団の理事を務める。

カリフォルニア大学名誉教授だった数学者故小林昭七氏は小林久志氏の実兄にあたる。

詳細についてはブログwww.HisashiKobayashi.com の バイオグラフィーを参照されたし。

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