FUTIでは、FUTI奨学金(グローバル・リーダーシップ・プログラム)と米国伊藤財団—FUTI奨学金という2種類の奨学金制度を運用しています。 プログラムの詳細はこちらをご覧ください。http://www.todaitomonokai.org/研究助成金と奨学金/ 及びhttp://www.todaitomonokai.org/米国伊藤財団-FUTI奨学金。 Scholarship委員会委員長、松下重悳氏は以下のように述べています。「一人一人のご支援のおかげで、今年も目的意識の高い優秀な学生を多数選考することができました。引き続き東大と東大生の国際化に貢献できそうです。奨学生が直接的、あるいは間接的に東大のために、また広く社会のために、役立って行く将来が楽しみです。」 以下今年度の奨学生の選考結果についての報告です。

[FUTI奨学金]

奨学金受賞者が確定しました。米大学から東大に留学する学生12名に、また東大から米大学に留学する学生6名に奨学金を支給することになりました。奨学生の人数の年次推移は次の通りです。

2016年度最終人数 2017年度最終人数 2018年度最終人数
米大学→東大 9 10 12
東大→米大学 6 8 6

今年の応募状況には次のような趨勢が見られました。

  1. 米大生の東大留学のための応募数と奨学生数が、旺盛なニーズによって増勢にあるのに対して、東大生の米大留学のためのFUTIへの応募が振るわない状況が続いています。
    1. 東大の留学生支援が質量ともに充実してきているのも一因かも知れず、それなら喜ばしいことです。
    2. 米国の夏季プログラムの多くが7月から始まるのに対して、東大の学事暦では7月末に期末テストがあるため、相当思い切らないと海外に出られないという不具合が生じているようです。
  2. 米大生の増勢の主因は2つあり、東大の国際化には望ましいことです。いずれも留学生への経済的支援が充分でないため、FUTIへの期待が高まりました。
    1. カルフォルニア大学が留学プログラムUCEAP=UC Education Abroad Programの拡大に注力し始め、東大の理学系・工学系の夏季インターンに多数の学生を送り込むようになってきました。
    2. ハーバード大学の協力を得て東大が、新研究所IRCN=International Research Center for Neurointelligenceを立ち上げたことにちなみ、今年ハーバード大学の学部生を東大の夏季インターンに受け入れることになりました。来年は東大からハーバード大にインターンに行く計画とのこと。

[米国伊藤財団-FUTI奨学金]

米国伊藤財団のご寄付で2016年度に米国伊藤財団-FUTI奨学金が開始されました。

種別/年度 2016 2017 2018 2018留学先
2年目 4 3 UC Berkeley (UCB), Tulane, Princeton
学部修士在学 3 2 2 U of Washington, UCB
卒/修了予定 2 1 2 Princeton, MIT
既卒 3 1 1 Yale
既卒 1 2 2 SUNY-Stony Brook, U of Penn
IF育英奨学金 1 UCB
米大生 1 UTokyo
9 10 12

次のような趨勢が見られました。

  1. 今年も優秀な学生の応募を得て、12名の奨学生を選考しました。手分けして奨学生全員と面接しましたが、いずれも目的意識が高く将来が楽しみでした。ほぼ全員が流暢な英語を話し、時代の変化を感じさせました。
  2. 本奨学金を辞退した人はまだ居ませんが、多くの応募者が複数の奨学金に応募し取捨選択しています。それだけ奨学金が充実してきたということでしょう。特に、日本学生支援機構(従来、奨学金貸与を実施)が個人・企業等からの寄付をもとに若者の留学を支援する「トビタテ!留学Japan日本代表プログラム(https://www.tobitate.mext.go.jp/program/index.html)」の奨学金との併給が、今年は3名になりました。
  3. 上表の最後の2行は新しい試みです。1つ目は、下から2行目の「IF育英奨学金」の新設です。①目的達成が見込めるレベルならば成績と英語の習熟度は問わず、目的意識・リーダーシップ・推薦状で人物を選考します。②東大生以外の学生も可としました。東大生以外の応募もありましたが不発でした。本年は、東大の伝統的運動部の所属で、部室で読書していたら先輩から「そんな時間があるなら練習しろ」と叱られたという学生を選びました。従来の選考基準では、成績と英語の習熟度を含む総合評価では選ばれ得なかった学生を選べたことは有意義でしたが、そういう奨学生が留学で成長してくれるか、人物評価は間違い無いか、など今後の評価を待たねばなりません。
  4. 上表最終行は、東大に留学して単位を取得する米大生です。(日本)社会に貢献するという本奨学金の趣旨に照らしあわせて選考しました。最先端の学問を進めるには研究者の多様性が必要で、異国の学生が異なる文化を持って参加し、国際的な人脈ネットワークを強化することが大事であると考える学生で、日本語を学び東大大学院に進学志望です。このような試みが、東大と東大生の国際化にどのように役立つか注視が必要です。

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